People 向き合う人Researcher5

政策研究事業本部 東京本部
執行役員 副本部長
主席研究員

矢島 洋子

「生きづらさを感じる人を
少しでも減らしたい」
力のある調査を武器に、
会社の枠を超え活動する。

経歴Career

1989年入社。慶應義塾大学法学部政治学科卒。新卒採用第一期生。一般職での入社から翌年総合職に転換した。出向先の内閣府における男女共同参画分析官や、日本女子大学「ライフロング・キャリア・デザイン講座」講師等、社内外を問わず多くの活動実績がある。2024年現在は、厚生労働省「労働政策審議会雇用環境・均等分科会」委員やこども家庭庁「こども家庭審議会基本政策部会」委員を務める。

私の信念My Belief

研究員として正確な調査を行えることは極めて重要です。しかし、それはプロフェッショナルのスキルとしては基本的なこと。本当に大切なのはその調査結果から何を読み解くか、ではないかと考えています。調査やデータには人を動かす力があります。それゆえに、数字の奥に見える人々や世の中の姿に思いを致し、さまざまな角度から問題の本質に迫り、それを社会に発信することが研究員には求められていると思います。

私の
とっておき

共著で2014年に出版した『介護離職から社員を守る』と2024年に出版した『仕事と子育ての両立』です。ワーク・ライフ・バランスの2大テーマとも言える「子育て」と「介護」と仕事の両立について、長年当社で取り組んできたさまざまな調査研究を踏まえ、課題と企業の支援の在り方を紹介しています。『仕事と子育ての両立』は、古くからのテーマでもありますが、あらためて<共働き・共育て> の時代に、「女性のキャリア」と「男性の子育て」に焦点をあて、問題提起をしています。また、昨今大きな課題となっている、「子育て社員と周囲の同僚との公平感」や「地域の子育て支援」の課題等も紹介しています。

仕事の醍醐味The best part of work

シンクタンクが行う調査は「政策検討に資する調査」、つまり「人を動かせる調査」であることが重要だと考えています。つまり、問題があることを指摘するだけでなく、解決へとつながる出口を示す調査です。たとえば、弊社が独自に行った「仕事とがん治療の両立に関する調査」の場合、がん治療によって離職者がどの程度いるかを調査しがちですが、私たちは両立できている人にスポットを当て、どういう人や職場環境なら両立が可能になるのかを提案することをめざしました。このように調査軸を工夫し、“力”のある調査を行うことで、さまざまな媒体に引用され、施策や取り組みの根拠として活用され、研究員としての喜びを感じることができます。

5年後の私My Future

プロジェクトリーダーを務められる人材の育成を大切に考えています。そのために、案件のリーダーの役割は後進に任せ、私自身は職場環境づくりや案件の獲得、プロジェクト内でメンバーとしてチームを支えることに注力し、彼らが成長する機会を数多く提供していきたいと思っています。さらには、新たなテーマの調査研究やコンサルティングメニューの開発、プロボノ活動等に積極的に挑戦していくこと、また執筆、講演等の対外的活動等を通じて、当社の存在感をより高めていけるようになっていたいと考えています。

心に残るエピソードEpisode

私は、出産のために一度当社を辞めています。その際、当時の会長に「完全に会社を離れるのではなく、少しでも会社とのつながりを持っていたほうがいい」と声をかけていただき、嘱託の研究員という肩書きをいただきました。また、出産後、子どもを連れて会社へ顔を出したときは、当時の部長から「子どもがある程度大きくなったら、会社に戻ってきませんか」と。さらに内閣府男女共同参画局男女共同参画分析官として出向したときも、社命ではないにもかかわらず休職を認めていただきました。このように、当社には個々の社員の生き方を尊重する風土があり、社員のライフスタイルに応じた柔軟な働き方が認められたからこそ、今の私があるのだと痛感しています。

応募者の皆さんへ
メッセージ
Message

子どもの成長は目に見えますが、大人の成長は外からは見えにくいものです。でも、大人も仕事の経験を通じて大きく成長します。ただし、仕事を通じた成長は、学校での学びよりもさらに、人による差が大きいと思います。どのような仕事にチャレンジし、そこから何を学び取るのか。皆さんの努力プラス職場の支援が重要です。就職活動中に自己分析しすぎて、得意・不得意等、自分の限界を想定してしまうことなく、入社後の大きな成長を期待して自分を委ねられる会社を選んでください。

Yoko Yajima