Researcher1
政策研究事業本部 名古屋本部
研究開発第1部(名古屋) 研究員
林 マリア
地方拠点の優位性を活かし、
中小企業の抱える
課題解決を通じて
地域社会に貢献したい。
経歴
2020年入社。学生時代は商工会議所のワークショップに参加し経営者の声を直接聞く等、フィールドワークにも力を入れながら企業経営学を学ぶ。フィリピンへの短期留学を機に途上国支援にも興味をもつようになり、開発経済学ゼミに所属。地元の中京圏で地域貢献したいとの思いから、就職活動では名古屋に拠点を置くシンクタンクを志望し、MURC※に入社。入社後は知的財産や中小企業支援をテーマとした調査・分析業務に従事している。
私の信念
私の信念は、常に「業務の意味」を考えて仕事をすることです。たとえば、「メールを1通送信する」という小さな仕事にも必ず意味があるということを意識しています。当社が受託する案件には規模の大きいものも多く、チームで役割を分担して進めていきます。すると1人の担当業務は細分化されたものになることもあります。その内の1つが担当であっても、事業の全体像を理解することが重要であり、そのうえで、目の前の「業務の意味」を把握できてこそ、丁寧かつ的を射た仕事ができると考えています。
私の仕事
若手の研究員は幅広い領域で経験を積むことが大切と考え、中小企業支援や知的財産をテーマにした案件を中心に、産業・観光振興、官民連携、国土政策等の業務に携わっています。
主な業務領域である知的財産に関する案件では、中小企業の知的財産経営の推進を支援してきました。中小企業の知的財産に対する認知度は、まだ十分といえません。たとえば、私が現在住んでいる名古屋をはじめとした中京圏は、自動車関連を始めとした製造業が盛んなエリア。その多くは中小企業であり、大手企業や大学等と取引をするにあたり厳しい契約条件を提示されていたり、ノウハウを無意識に流出させてしまっていることが課題視されています。こうした状況が、新たなイノベーションの創出を阻害している可能性があるのです。
状況を改善するための第一歩となるのが、産業を支える中小企業に自社のもつ価値(技術やノウハウ等)を知的財産として認識し、経営資源の一つとして捉えていただくこと。行政と専門家、民間事業者のハブとなり、意識変化を促し、知的財産経営の推進をサポートしていくことが、私のミッションだと認識しています。
案件の企画、受注、調査、報告が、業務の代表的なプロセスとなります。まずは公募された案件の受注に向け、企画書・見積書を作成していきます。地域に寄り添った企画・提案がしやすいという点は、地方にも拠点をもつ総合シンクタンクである当社の強みの一つです。名古屋では自治体が発注元となることも多いため、地域の事情に精通していることや、地域との信頼関係ができている点は、非常に重要なことです。
受注後は、アンケートやヒアリング、統計調査等のさまざまなアプローチで調査を進めていきます。社内には各分野のプロフェッショナルがいるので、指導を仰ぎながら調査を進め、スキルを身につけているところです。
集大成となる報告書作成では、調査内容の取りまとめを行います。私が作成に関与した報告書が官庁のホームページに掲載されたときは、成果物が目に見える形で社会に向け発信されたことに、大きな喜びを感じます。1回の事業(短期)で完結するテーマではない場合も多いことから、その後の事業方針等についてお客さまからご相談をいただくこともあります。継続的に調査・報告を行うことで、未来につながる変化の創出に、貢献していきたいと思います。
手がけたプロジェクトの一部
令和2年度中小企業等
知財支援施策検討分析事業
(知財戦略構築のための中小企業
ハンズオン支援に関する調査実証研究)
ピッチイベント企画
運営業務委託
スポーツ推進計画基礎調査
委託業務
観光振興推進計画策定業務
私の
とっておき
入社2年目、初めて企画書の調査の企画・立案パートを作成することになりました。調査項目の設定から文章の構成、図表の使い方といった細かな部分も含めて迷いながらも完成できたのは、上司・先輩からの的確な指導のおかげです。結果的に無事に採択に至ったのは大きな喜びでした。
この仕事をしていくうえで重要となる企画・立案のパートを2年目で経験できたことは、将来に向けての確かな自信となりました。また、自分に欠けているスキルが明確になる等、克服すべき課題も見つかりました。自分が目指す姿に向け前進していくための、大きな一歩になったと感じています。
仕事の醍醐味
ヒアリングや会議を通じ、さまざまな立場の専門家や民間事業者等から意見を伺う機会がありますが、それらを集約していく過程にとても魅力を感じています。
多様な立場からの意見に触れるたびに現状認識や課題整理が進み、一歩ずつ着実に課題の解決に近づいていると実感できるのが、この仕事の面白いところだと思います。
また、自分の視野も少しずつ広がり、そこで得た知見は類似案件に限らずまったく異なる分野でも応用できるため、自身の成長にもつながっています。さまざまな面で変革期である昨今、次々に起こる課題を解決していくためには横断的な視点・知識が必要です。自身の専門性を磨くと同時に幅広い領域の考え方に接することで、課題解決力を高めていきたいと考えています。
5年後の私
研究員としての基礎力を確立させたうえで、「この分野ならこの人に聞こう」と思っていただける専門性を身につけていたいです。研究員としての基礎力を確立させるために、分野共通の普遍的な調査・分析スキルを身につけるべく、知識・経験のないテーマの案件にも積極的に参加させていただいています。専門性を身につけるためには、現在は学生時代に学んでいた経営学に加え、「知的財産」に関する知識の蓄積に励んでいます。当社の「自己投資支援制度」(通信教育や資格取得等の費用を会社に負担してもらえるもの)を活用し、知的財産に関する資格も取得しました。いまはまだ、専門性を身につけていく段階ではありますが、今後も社内制度の活用や実務を通じ、研究員としての基礎力と専門性の向上を図ることで、お客さまやプロジェクトメンバーから信頼される人材を目指します。
心に残るエピソード
地方自治体のプロジェクトで、数字・計算式が満載の複雑な資料を作成する機会がありました。議論を重ねるごとに複雑さは増していき、お客さまから数式や数字そのものについて質問をいただく回数も増えていきました。そこで、『初めて見る人でもすぐに理解できる資料』を目指し、自主的に解説資料を作成したところ、お客さまから「図表や色分けのおかげで大変わかりやすかったです。ありがとうございました」とお褒めの言葉をいただくことができました。
私たちが作成した資料を読むのは専門家だけとは限りません。誰でも理解できるよう、わかりやすく伝えることもシンクタンクの研究員にとって重要なスキルです。そのスキルが身についてきたことが実感でき、自信につながりました。