Researcher2

政策研究事業本部 東京本部
地球環境部 研究員
大山 晟弥
知的刺激を受けながら
俯瞰的な視点で
環境政策に貢献する。
経歴
2020年入社。学生時代は環境工学を専攻し、研究テーマとして、廃棄物の焼却に伴うCO2排出量算定方法の精緻化に取り組む。研究やフィールドワークを通じて得た専門的知見をさらに深め、それらをもとに社会に貢献できる仕事がしたいとの思いでシンクタンクを志望。個人のキャリアビジョンを大切にでき、希望するテーマの研究に打ち込みやすい環境のあるMURC※に入社。入社以来、地球環境部で業務に取り組んでいる。
私の信念
PCで統計データ等を見ながら調査・分析を進めることの多い仕事ですが、モニター上の文字・数字をなぞるのではなく、その数字の向こうにある現実をイメージするようにしています。データから「それはどういうことか」を具体的にイメージしながら情報に触れ、扱うことで、思考の解像度が増し、よりキレのある分析・検討につながると考えています。また、実効性のある政策づくりに貢献するうえでも重要なことだと信じています。
私の仕事
官公庁の案件においてマクロな観点から、日本全体の温室効果ガス排出量の算定およびその精緻化・増減要因分析や、2050年カーボンニュートラルに向けた温室効果ガス排出量削減対策の検討等に携わっています。この分野においてMURCは豊富な知見を蓄積していることがシンクタンクとしての強みになっています。
仕事はまず公募案件の中から応札する案件を選定するところから始まります。所属ドメインの案件ポートフォリオの方針に沿って、以前からの知見を活かせそうな案件はもちろんのこと、新たなドメインの開拓を念頭に中長期的視点で挑戦すべきと考えられる案件等、戦略的に選定します。そのうえでメンバーの専門性を踏まえて、業務遂行の具体案を提示。落札後は調査・分析・検討作業等(生産活動)を進めます。
案件によっては学識経験者や業界団体の方々等を委員に迎えて検討会を開催し、意見を伺ってさらにブラッシュアップします。調査・分析・検討内容を報告書にまとめた後、クライアントに納品し、プロジェクトがクローズとなります。

どんな案件も知的刺激を受けながら進められる点が大きな魅力です。日々の打ち合わせや検討会等において、社内の研究員はもちろん、業界をリードするような高い専門性を持つクライアントや社外の有識者の思考に触れ、常に刺激を受けています。ディスカッションのためには入念な準備が必要なのはいうまでもありません。
こうした環境で経験を重ねてきた結果、最近では論点の絞り込みもスムーズにできるようになりました。1、2年目は目の前のタスクをこなすことで精一杯でしたが、今は視野が広がって案件を俯瞰的にとらえることができ、自分の成長を実感しています。
大切にしているのは、ファクトに基づくストーリーの組み立てを重視することです。いずれの業務も数値や考察等の形でアウトプットするわけですが、正しくかつ説得力のある分析・考察をするためには、この「ファクトに基づくストーリーの組み立て」が非常に重要だと感じています。
私たちがまとめた数値や考察の中には、テレビ、新聞等のメディアで発表されるものもあります。そうした報道に触れることはやはり嬉しく、誇らしさを感じます。

手がけたプロジェクトの一部
温室効果ガス排出量算定方法検討業務
廃棄物分野の温室効果ガス排出量算定方法
精緻化業務
2050年カーボンニュートラルに向けた
温室効果ガス排出削減対策検討業務
私の
とっておき
入社以降、日本の温室効果ガス排出・吸収量の算定方法ならびに算定結果を取りまとめた『日本国温室効果ガスインベントリ報告書』(通称:インベントリ)の作成及びその関連業務に中心的に携わっています。私の中では軸となる存在です。こちらの業務で得られた知見は、日本の温室効果ガス排出量を精緻に算定することに加え、インベントリでの算定方法を踏まえた温室効果ガス排出量の削減対策の検討や、発展途上国等におけるインベントリ作成の能力開発等、さまざまな業務に展開が可能なため、非常に重要な存在であると考えています。将来的にはインベントリの知見を活かした案件の獲得も目指したいと考えています。
私自身学生時代、研究活動の際に「インベントリ」にはよく目を通していました。今その作成に携わっていることに感慨を覚えます。

仕事の醍醐味
私たち研究員は、参画する案件を決める際、上司のアドバイスはあるものの、基本的に自らの意思で決定することができます。勤務時間・場所等についても自由度が非常に高く、社員一人ひとりが自らの興味・関心やライフプランに基づいて働くことが可能です。そのように自由な環境に身を置くからこそ、仕事やキャリアについて主体的に考える姿勢がより身につくのだと思います。
5年後の私
自分ならではの強みを確立し、クライアントから「この分野なら大山に」と思ってもらえるような研究員になりたいと思います。
また、社内的にはプロジェクトリーダーとしての立場を期待される時期になります。後輩が一緒に仕事をしたいと思うようなスキルと人間味を兼ね備えたリーダーとなり、厳しい局面を迎えてもポジティブかつユーモラスに乗り切れるようになりたいと考えています。
心に残るエピソード
入社1年目、クライアントとの打ち合わせで初めて資料説明・質疑応答を担当した際のことです。それまで上司・先輩がクライアントからの専門的かつ鋭い質問にすらすらと答えていた姿を目にして、「自分にもできるだろうか」と不安に思っていました。そこで、とにかく自分の担当部分は徹底的に準備しようと決心。説明内容や想定される質問等についてあらかじめしっかりと頭に入れ、予行演習して打ち合わせに臨んだところ、手応えのある対応ができました。事前の準備の大切さを実感した出来事として印象に残っています。