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スポーツ振興


人づくりから始まるまちづくり

政策研究事業本部 大阪本部 研究開発第2部(大阪)
2017年入社/農学研究科 修了
2017年に入社し、食料流通や官民連携領域の公共案件を担当。公共施設の将来ビジョンの検討や再整備事業プロジェクトに多数参画。現在は、政策研究事業本部で、食料システムとスポーツ分野を中心に、プロジェクトリーダーとしてさまざまな地域の公共案件を担当する。
Q1 背景や課題は?
スポーツで広がる地域経営の可能性
人口減少・高齢化社会のなかで、持続可能な地域経営のあり方が問われています。
スポーツ振興は、福祉や教育に比べると必ずしも優先度の高いテーマとはいえません。しかし、さまざまな点から、持続可能な地域づくりにアプロ-チできる有効な手段のひとつと捉えています。
具体的には、人々の健康増進やコミュニティづくり等の「日々の生活を豊かにする機能」、子どもの教育や共生社会の実現といった「社会課題を解決する機能」、さらには地域産業振興や観光促進・交流人口の拡大等の「地域を活性化する機能」等が挙げられます。
一方で、このスポーツの分野でも多くの課題が存在しています。若年層・子育て世代のスポーツ実施率の向上、スポーツ施設の老朽化対策、プロスポーツをはじめとしたスポーツ産業の振興、ソフトとハードの両面でのユニバーサルデザイン対応等です。
こうした課題と一つひとつ向き合い、持続可能な姿に再構築していくための観点として「スポーツの価値をまちづくりに活かす・広げる」ことを大切にしています。
Q2 アプローチの方法は?
地域を巻き込み、シーン全体をアップデート
三菱UFJリサーチ&コンサルティング(以下、MURC)では、地域のスポーツ振興全体の方針となる「スポーツ推進計画」から、個別施設の整備計画の策定まで、ソフト・ハードの両面、上流の基礎調査から下流の事業支援まで、さまざまな政策領域に携わっています。
特に近年は、地方自治体の財政状況が厳しさを増すなかで、地域のスポーツ施設を減らし、適正化する動きが活発です。持続的なスポーツ環境の構築のために必要な施策ですが、一方で、単純に施設を縮小するだけでは、地域スポーツ全体の発展にはつながりません。
そこで、地域のスポーツに関わる方々のニーズや利用実態を丁寧に拾い上げ、ソフト・ハードの両面で、スポーツシーン全体をアップデートすることを重視した検討を行っています。
その際、スポーツ施設に限らず、学校施設やコミュニティ施設への活動の広がりや、文化活動を含めたサービスの拡充等、「まちづくり」の視点から多様な地域資源・関係者を巻き込んだ柔軟な発想が重要になります。こうした多角的な視点を持ってスポーツ分野にアプロ-チできることは、総合シンクタンクである当社ならではの強みだと感じています。

Q3 乗り越えるべき壁は?
敷居を下げて、誰もが気軽に関われる環境を
従来の教育や身体的発達を主眼とした狭義のスポーツから、より日常的な身体活動やレクリエーションを含めた広義のスポーツへと発想を広げることが重要だと考えています。
スポーツに対する敷居を下げ、誰もが気軽に関われる環境をつくる。それが、スポーツがまちに溶け込み、まちづくりに活かされる第一歩になると捉えています。
そのためには、スポーツの関係者や地域住民をはじめ、多様な関係者の共感を得ることが大切です。理念を掲げるだけではなく、「スポーツ×まちづくり」による変化や便益を実感できる具体的な取組を着実に積み上げる。さらに、それらをスポーツの社会的価値として見える化・定量化し、客観的な効果を提示することが重要です。
Q4 どんな未来を思い描く?
多様な「人」が育む、スポーツの豊かな土壌
あらゆる人が身近に・自然とスポーツを感じるまちづくりへの貢献を目標としています。
当社は、施設や事業の視点から政策課題に関わることが多いですが、一番大切なのは「人」だと考えています。スポーツを「する」人だけでなく、「みる」人や、「ささえる」人、担い手となる「つくる」人のそれぞれが充実することで、スポーツの価値を発揮する豊かな土壌が作られます。
これからの将来を担う子どもたちを始め、すべての人がスポーツの楽しさに気づき、関わり続けたいと思える環境や機会を提供し続けることが大切。そのための重要なピースが「人」です。
MURCだからこそできる多様な政策課題へのアプロ-チを通じて、スポーツに携わる「人づくり」を実現していきたいと考えています。
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