Project3
震災復興の締めくくりとなる
復興祈念公園の基本設計プロジェクト
復興祈念公園の
基本設計プロジェクト
市民の皆さんとともに歩む10年の道のり
市民の皆さんとともに歩む
10年の道のり
Keyword
防災・業務継続計画(BCP) | 宮城県気仙沼市の復興計画 |
地域の防災力向上
政策研究事業本部
大阪本部 研究開発第1部
主任研究員
秋元 康男Yasuo Akimoto

東日本大震災以降、宮城県気仙沼市の復興計画の策定支援を行ってきた研究員の秋元。
震災を経験した方々と直接対話し、二度と同じことが起こらないようにするためには何が必要かをともに考え、奮闘し続けたこの8年間。
今回は、復興の締めくくりとなる、宮城県気仙沼市の復興祈念公園の基本設計を行うプロジェクトをご紹介します。

市民の皆さんの想いを込めた
復興祈念公園へ
宮城県気仙沼市の復興祈念公園の基本設計を行うプロジェクトに、プロジェクトリーダーというポジションで参加しました。復興祈念公園を整備する場所は決まっていたものの、「具体的にどういった空間の公園とするか、広く市民等の声を聴きながら検討を進めたい。」という相談を市職員の方からいただきました。
公園の造成工事の設計は専門の土木測量会社が担い、当社は土木測量会社とJV(共同企業体)という形で連携して市民等の声を設計に反映するための市民委員会の運営支援を担いました。市民委員会では参加された市民の代表の方々の公園に込める想いをお聴きし、復興祈念公園のコンセプトを定めました。復興祈念公園のコンセプトは、市として、「東日本大震災による犠牲者に対する追悼と鎮魂の場」、「自然との共生を慮り,防災への想いを新たにする場」、「地域の再興を実感しつつ,未来永劫の安寧を祈る場」の3つを案としていました。
委員会では、市民の代表の方からこの3つのコンセプトに共感をいただきつつも、「復興祈念の場として,復興の大きな支えである世界中の方々とも、ともに気持ちを同じくする場でありたい」という意見もいただきました。そして、「市民のみならず市外の方も含めて,多くの方が本公園の日常の利活用や維持管理に永く関わり続けることのできる場」もコンセプトとして加えることになりました。
その後、そのコンセプトを実現すべく市民委員会が審査するアイデアコンペの実施も支援しました。アイデアコンペの実施に際しては、提案者の募集方法や審査方法等、当社がこれまで多く実績を有していた公共施設整備等の事業者募集・選定の知見も活かすことができました。
アイデアコンペで提案を評価された大学研究室・建築設計会社も公園の設計に加わり、公園に整備するモニュメント等の位置・規模・形状も提案・検討を重ね、計8回の市民委員会による議論を経て、復興祈念公園の基本設計が仕上がりました。
現在も、復興祈念公園の詳細設計の検討等、継続して関連する支援を行っています。
復興祈念公園プロジェクトの現地調査
二度と同じことが
起きないようにするために
自分ができること
宮城県気仙沼市は、東日本大震災後、当社が復興計画の策定支援を行った自治体であり、以後継続して復興支援を行っている関係にあります。
現地にて市職員と打ち合わせをしている様子
復興計画の策定支援は、当初は社会貢献活動として始めたもので、震災のあった2011年は約4ヵ月にわたり研究員が交代で常駐し、現場の市職員の方と近い距離で議論を交わし続けました。私もそのときに常駐したひとりで、その後も、市の業務継続計画(BCP)の策定や、市民・市職員の方の被災体験や教訓をまとめた記録集の作成等の業務も受託し、多岐にわたる復興支援を行ってきました。今回、復興の締めくくりとなる祈念公園の基本設計を行うプロジェクトに声をかけていただき、気仙沼市の皆さんとともに歩んできた震災後10年の道のりを体現することがきると思うと、とても感慨深いです。
震災を経験した方々との直接の対話を経て、二度と同じことが起こらないようにするためには何が必要かをともに考え、また、全国さまざまな地域で自治体の防災・減災の案件に携わる立場の者として、今後同じような災害が起こる可能性のある地域へそれを伝える役目を果たしていきたいと考えています。
現地にて市職員と打ち合わせをしている秋元の様子