社員インタビュー

人に寄り添いながら変革に挑む。
AI時代に問われるコンサルタントの真価
経営戦略第2部
シニアマネージャー/2008年入社/情報学研究科 修了
キャリアパス
中小企業および大企業を含め、経営戦略をはじめ幅広い実行支援テーマに従事。
経営戦略のテーマと並行して、政策研究事業本部のプロジェクトにもコワーク(*)参加(地域医療政策の立案)
この頃より自身がリーダーを務めるプロジェクトが徐々に増える。
中小企業診断士に登録。当時のコンサルティング人材開発室を兼務し、新卒採用活動を担当。
商社のミッション・ビジョン・バリュー策定等、引き続き経営戦略と実行支援に携わる。自社マネジメントリーダー養成塾の講師も担当する。
多種多様な経営課題に
「オールMURC」で挑む
学生時代は工学・情報系でAIの先駆けのような研究に携わっていました。「人と機械が協調してタスクをこなす」という未来を想定し、人間とコンピューターがお互いどのように役割を分担したり補い合ったりすべきかについて研究していました。
研究の一環で中小の製造業の方々と交流する機会を得るなかで、その技術力の高さに驚かされました。そして「日本の製造業を支えている彼らのような企業が、もっと報われる世の中でなくてはならないのでは」と考えるようになり、それがコンサルティング業界を志望する動機となりました。
入社してからは一貫して、大手から中小まで多くの企業の経営戦略立案の支援を行ってきました。特に成長途上にある中堅企業では、経営陣は日々あらゆる経営課題に直面しています。加えて、近年は業務効率化を目的としたDXや、SDGs、サプライチェーン・マネジメント、少子化に伴う人手不足等、かつては大企業中心に求められていた課題にも対応せざるを得なくなっています。自社だけで解決するのはとても難易度が高く、我々コンサルタントにも「各テーマの戦略・方針検討から実行支援までワンストップで依頼したい」という要望が増えています。
そうした際に強みとなっているのが、他部署含めた当社コンサルタントとの相互連携です。三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC)には私のような経営戦略のコンサルタントだけでなく、人事、IT、環境等、各専門分野で活躍するコンサルタントが揃っています。「吉野に相談すれば、適切に課題解決を推進してくれる」という信頼を寄せていただけるよう、オールMURCでのコンサルティングとして提供できる価値をどのように高めるかを意識して取り組んでいます。

正解がないプロジェクト。
全員が納得する「解」を探る
プロジェクトのなかには、明確な「正解」が存在しないものもあります。たとえば、あるクライアントで自社の存在意義や目標、行動指針を明確にするための「ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)」の策定を支援したときのことです。こうした案件は通常は半年程度かかるところですが、経営計画策定も含めて4ヵ月という異例の短期間でまとめる必要がありました。東京と大阪に分散するクライアント側のメンバーをリモートでつなぎ、毎週3時間にわたるミーティングを重ね、議論を深めていったのです。
MVVは企業の歴史や経営理念等を踏まえ策定されるものですが、ここには絶対の「正解」はありません。しかし、正解がないからこそ十分な議論を経ずとも結論を出せてしまうという危険性をはらんでいます。「経営トップやコンサルタントが言うなら」と参加メンバーが流された気持ちで受け入れてしまえば、それは単なるお題目になってしまいます。我々コンサルタントとしては、拙速に仮説を押しつけることは慎まねばなりません。
そのため、このプロジェクトでは、各参加メンバーが自分の言葉でMVVを語れることを目指して議論を進めました。一時は結論が出かけたものの、あるメンバーの「今ひとつ腹落ちしない」という言葉から議論をやり直した場面もあったほどです。その甲斐もあり、限られた時間のなかでベストの「解」を導き出せたと考えています。

AIには果たせない、
人間たるコンサルタントの役割
もうひとつ、このプロジェクトで意識したのはコンサルタントとしての「主観的な意見」です。通常、コンサルタントはさまざまなデータを分析し、客観的な立場からベストな提案を導きます。しかし、MVVはあくまでその会社が主観的に決めるもの。そのため、このプロジェクトに限っては、クライアントから意見を求められたときは、「自分がこの会社の一員だったら」と、当事者を想定した発言を心がけました。もちろん、その想定にはクライアントへの十分な理解が必要であり、実際にクライアント社内や社員の皆さんの雰囲気を肌で感じることも重要です。毎週のミーティングでも、私は自宅がある大阪から東京までほぼ毎回出向き、同じ場所でメンバーと顔を合わせて議論をしていました。
こうした「人」に寄り添う姿勢は、今後のコンサルタントにより期待される大切な役割だと考えています。生成AIの発展は著しく、効率的な情報収集や形式的な思考速度ではもはや勝てません。ですが、クライアントの中枢にいる経営者の方の孤独、幹部の方の不安、カウンタパートの悩みを理解し、その決断に寄り添えるのは、生身の人間にしかできないことです。
経営者のなかには、現状と未来に危機感を覚えている方々もたくさんいます。日本の企業が今の売上規模や利益の水準を維持していくためには、これまでのやり方を大胆に見直す勇気が必要なタイミングにあるのでしょう。そして我々コンサルタントに求められる役割もまた、再定義される時代に直面していることを感じます。ひとりのコンサルタントとして、その命題に向き合いながら、自らを変革しようとする企業の勇気に応えていきたいと考えています。

入社の理由
私の地元である大阪には中小から大手まで多くの製造業の企業があり、日本経済を支えています。こうしたものづくりに携わる企業を支援したいという思いがあり、コンサルティング業界を志望。そのなかでMURCには「『知』を通じて『社会』に貢献する集団であり続ける」というメッセージにとても共感した記憶があります。東名阪から勤務地を選べるので大阪を拠点にできることも決め手となりました。
MURCの良い点
コンサルタント一人ひとりを「大人扱い」するところです。当社では早いうちから「あなたはひとりのコンサルタントとしてどう考えるのか」という姿勢が問われます。組織の一員としての責任を果たしつつ、仕事やキャリアを自律的に考えることが求められるのです。必要があれば、周りもサポートを惜しみません。個人の自主性や関心、キャリアを大いに伸ばせる環境であり、「大人」の集団として仕事と向き合えるところが、MURCの良さではないでしょうか。
ある一日の流れ
出社/メールチェック・返信
プロジェクトメンバーからの資料のレビュー
ウェブ会議で社内メンバーとMTG
昼食
クライアントとの対面でのMTG
関係者とともに、営業提案面談
リモートでの社内メンバーとのMTG
退社(直帰)
休日の過ごし方

幼いころからずっと阪神タイガースファンです。最近は息子も野球のルールがわかるようになってきたので、一緒に中継を観たり、甲子園球場で応援したり等、阪神ファンの英才教育を施しています。
Interview Index

澤田 光晴
コンサルティング事業本部 組織人事ビジネスユニット
HR第2部
コンサルタント/2020年入社

溝川 翼
コンサルティング事業本部 社会共創ビジネスユニット
イノベーション&インキュベーション部
シニアマネージャー/2018年入社

吉野 英知
コンサルティング事業本部 経営戦略ビジネスユニット
経営戦略第2部
シニアマネージャー/2008年入社

大熊 丈士
政策研究事業本部 東京本部 地域政策部
研究員/2022年入社

髙原 悠
政策研究事業本部 東京本部 持続社会部
副主任研究員/2013年入社

仲嶋 翼
政策研究事業本部 東京本部 地球環境部
主任研究員/2015年入社