Researcher1

政策研究事業本部 名古屋本部
研究開発部 準研究員
伊藤 瑞萌
学生時代の関心を軸に、
新たな社会課題に
挑んで専門性を
磨いていきたい。
経歴
2019年⼊社。名古屋⼤学⼤学院国際開発研究科修了。学⽣時代は政治学・開発学を専攻。特に貧困・格差の是正に強い関⼼を持ち、ホームレス⽀援ボランティアにも携わる。貧困問題解決に向けて⾏政への働きかけもできることからシンクタンクを志望し、個⼈の裁量を尊重してくれる社⾵に惹かれて当社への⼊社を決意。配属以来、技能実習⽣を始めとする外国⼈労働者等に関する案件に携わる。
私の信念
公正・中立であることを意識しています。たとえば、業務で作成するアンケート票や報告書等は、国や地方自治体の名前とともに社会へ広く行き渡る可能性があるため、誤解を生む表現や、特定の性別・人種・⺠族等を差別するニュアンスを含む表現を避けるよう心がけています。根拠・事実に基づいた調査・提案を行うという、シンクタンク本来の公正・中立さに加え、研究員個人として、ポリティカルコレクトネスのような配慮も疎かにしたくないという思いがあります。
私の仕事
⼊社以来、技能実習⽣、留学⽣、外国にルーツを持つ⼦ども等、外国⼈に関する案件に携わってきました。私が⼊社した2019 年4 ⽉は、ちょうど⼊国管理局が「出⼊国在留管理庁」へと格上げされ、さらに労働に関する新たな在留資格として「特定技能」が創設されるという⼤きな節⽬となるタイミングでした。より多くの外国⼈労働者を受け⼊れるための体制整備が進む⼀⽅で、⽇本には諸外国が持つような移⺠基本法等がないため、⽇本で暮らす外国⼈の権利や外国⼈に対する⽀援制度等が⼗分に整っていないのが現実です。そこで外国⼈に関する調査研究に携わることで、既に⽇本で働いている外国⼈労働者の現状・課題・ニーズを把握し、制度改善につなげていく道を探ることが、シンクタンクの研究員としてのひとつのミッションだと考えています。また、制度改善だけでなく、外国⼈に関する新たな制度の構築や、国としての新たなあり⽅も探っていく必要があると感じています。

⽂献調査はもちろんのこと、アンケート調査や現地ヒアリング調査も積極的に⾏い、さまざまな⼈の⼒を借りながら調査業務を進めていきます。その結果を最終的に報告書としてまとめ上げ、お客さまである中央官庁や地⽅⾃治体等に報告します。報告書が省庁等のホームページを通じて発表されることもあり、社会に与える影響の⼤きさを実感します。また、テレビや新聞等を通じて、調査結果やメッセージを発信する先輩もおり、私もいずれは⾃分の考えを社会に向けて直接発信できるようになりたいと考えています。
私の所属は名古屋本部ですが、1年⽬に関わった案件のうち約半分は、東京主体のプロジェクトでした。名古屋本部の上司や先輩はもちろんのこと、他部に所属する方々も私の目標であり、お手本です。まだ今の自分は、先輩方の専門性やスキルに助けられている部分が大いにあると⾃覚していますが、⼈からの借り物ではない、⾃分ならではの意⾒、考えを少しずつ持てるようになってきました。⼀歩ずつ、着実に成⻑を続けているという実感があります。

手がけたプロジェクトの一部
製造業における
外国⼈材受⼊れ⽀援事業
保育所等における外国籍等の⼦ども・
保護者への対応に関する調査研究事業
アジアにおける国際労働⼒移動に関する
コンサルティング業務
外国⼈留学⽣⽣活・交流及び
外国⼈材雇⽤状況等調査業務委託
私の
とっておき
入社1年目に、アジアから日本への労働力移動の実態を調査するプロジェクトに携わりました。上司とともにベトナム調査担当メンバーとなり、文献調査とヒアリング、海外現地調査も行いました。最終報告書執筆時は、ベトナム現地の法律や公的文書の概要をまとめたり、人材送出しに関係する現地行政機関とその相互関係を図示したりして、約1年かけて収集した情報の整理を主に担いました。現地調査時には、⽇本に憧れる10 代の技能実習⽣候補の⼦たちの⽬の輝きを⽬の当たりにし、「⽇本側の受⼊れ体制の現状を何とかしなくてはならない。」とあらためて課題意識を強くしました。仕事に対する使命感を新たにしたという意味でも、とっておきの仕事となりました。

仕事の醍醐味
研究員はデータや⽂献ばかりを⾒て、常にパソコンに向かっている仕事だというイメージを持たれがちですが、実際にはヒアリングに応じてくださる有識者の⽅、企業の⽅、草の根的に活動されている⽅等、想像以上に多くの⽅々との出会い・関わりの中で仕事をしています。業務によっては、カメラマンと⼀緒に外国⼈労働者にインタビューする機会等もあり、1年⽬からヒアリングや出張等もひとりで任せてもらいました。社会課題に関して現場の声・情報を得られるのは、シンクタンクの研究員ならではの醍醐味です。
5年後の私
シンクタンクの研究員としてキャリアを積んでいくからには、社外・社内問わず「そのテーマだったら伊藤に聞けばいい」とバイネームで相談されるような存在になっていたいと思います。そのためには、まだ調査ニーズは少ないものの、今後のポテンシャルがある分野を掘り起こしたり、「外国⼈と××」というように現在の専⾨と異分野との掛け合わせで新しいテーマを開拓したりと、⾃ら専⾨性を⾼める努⼒をしなくてはならないと思っています。さらに、英語でのコミュニケーション⼒や、データ処理・分析等の数学的センス等も、磨いていきたいと考えています。
心に残るエピソード
⼀通りの業務を経験した⽴場になった1年⽬の終わりに、上司から仕事上のフィードバックをいただきました。⾃分の業務の進め⽅やプロジェクトメンバー・研究員としての働き⽅等、⾃分⾃⾝でも改善点が多いと感じていた部分を指摘され、分かってはいたものの落ち込んでしまう部分がありました。そんな時に、先輩から「業務に携わる中で、もっと考え続けることで、判断⼒や実⾏⼒、思考の瞬発性が培われるものだよ」とのアドバイスをいただき、気持ちを切り替えることができました。同時に、準研究員の今だからこそ、上司や先輩の⽅々から丁寧にご指導をいただけるのだと思い、感謝する気持ちと、仕事の成果を出すことで恩返ししていきたいという気持ちもわきました。そして、最終的には、上司や先輩の⽅々のように、お客さまに信頼されるような資料作成や各種の対応、振る舞いができるようになりたいと強く思いました。