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「生きづらさを感じる人を少しでも減らしたい」
力のある調査を武器に、会社の枠を超え活動する

政策研究事業本部  東京本部共生社会部 主席研究員矢島洋子YOKO YAJIMA

1989年入社。慶應義塾大学法学部政治学科卒。新卒採用第一期生。一般職での入社から翌年総合職に転換した。出向先の内閣府における男女共同参画分析官や、中央大学大学院戦略経営研究科客員教授等、社内外を問わず多くの活動実績がある。

My Policy

研究員として正確な調査を行えることは極めて重要です。しかし、それはプロフェッショナルのスキルとしては基本的なこと。本当に大切なのはその調査結果から何を読み解くか、ではないかと考えています。調査やデータには人を動かす力があります。それゆえに、数字の奥に見える人々や世の中の姿に思いを致し、さまざまな角度から問題の本質に迫り、それを社会に発信することが研究員には求められていると思います。

私の仕事

政策研究事業本部は、官庁受託が中心の部署です。私は共生社会部で、少子高齢化社会対策や男女共同参画の視点からダイバーシティマネジメントやワーク・ライフ・バランス等に関する調査研究を行っています。
たとえば「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」、いわゆる女性活躍推進法では、厚生労働省から法律の施行にあわせて、企業向けのマニュアル作成を受託しました。この法律によって従業員301人以上の事業主は、自社の女性活躍の状況把握と課題分析・女性活躍を促進するための行動計画策定、そして、これらの開示が義務づけられました。しかし、多くの企業では、どのように課題を分析し、行動計画を策定すべきかのノウハウはありません。そこで、手順を示したマニュアルの作成を当社が引き受けることになったのです。ただ、法案が成立したのは2015年8月で、企業が行動計画を策定し公表したのは2016年の4月1日。企業が行動策定に費やす時間を考えれば、私たちに与えられた時間は、非常に限られていました。しかも、業界も従業員構成も組織風土も異なる多様な企業で使用できる汎用性の高い共通手法を構築しなければなりません。
結果的に、多くの企業から評価をいただけるマニュアルを作成できたのは、過去の知見を的確に取り入れるとともに、プロジェクトメンバー一人ひとりがタスクの着実な遂行とその精度向上に力を注いだおかげです。
この法律が施行されたこと、また求職者の働き方に対する意識の変化が追い風となり、今、企業の間では自社の労働環境を真摯に見つめ直す雰囲気が広がっています。人気業種であっても、労働時間や休日取得等で、応募者に「働きづらい」と思われると、採用が難しくなってきている現実があるからです。そのため、長時間労働の是正や「在宅勤務の促進」等、「働き方改革」につながるコンサルティングを依頼する企業が増えています。2014年から研究協力をしているGoogle社の「未来の働き方プロジェクト」もそのひとつです。これは、テクノロジーを活用した柔軟な働き方で女性の社会進出を支援しようというIT企業ならではのアプローチで話題となっています。
このように近年は、調査によって課題を浮き彫りにするだけでなく、その解決法や対策まで求められる傾向が強くなっています。それは成果を厳しく問われることでもありますが、反面、社会への貢献を実感しやすく、大きな手応えを感じられるようになってきているとも言えます。

手がけたプロジェクトの一部
  • 「ポジティブ・アクション見える化事業」
    厚生労働省
  • Google 未来の働き方プロジェクト
  • 民間企業を対象とした働き方改革
  • 「仕事と家庭の両立に関する実態把握のための調査」
    厚生労働省

私のとっておき

共著で2014年に出版した『介護離職から社員を守る』です。団塊の世代が75歳以上に到達する2025年、働き盛りの団塊ジュニア層が親の介護に直面することになります。そのとき予想されるのが、企業の中核的人材の離職です。そこで、彼らが仕事と介護を両立できるよう、企業としてどのように支援していくべきなのか、事前の情報提供や制度の見直し、柔軟な働き方という視点から解説しています。

仕事の醍醐味

シンクタンクが行う調査は「政策検討に資する調査」、つまり「人を動かせる調査」であることが重要だと考えています。つまり、問題があることを指摘するだけでなく、解決へとつながる出口を示す調査です。たとえば、弊社が独自に行った「仕事とがん治療の両立に関する調査」の場合、がん治療によって離職者がどの程度いるか調査しがちですが、私たちは両立できている人にスポットを当て、どういう人や職場環境なら両立が可能になるのかを提案することをめざしました。このように調査軸を工夫し、“力”のある調査を行うことで、さまざまな媒体に引用され、施策や取り組みの根拠として活用され、研究員としての喜びを感じることができます。

5年後の私

主席研究員として、プロジェクトリーダーを務められる人材の育成を大切に考えています。そのために、案件のリーダーの役割は後進に任せ、私自身は職場環境づくりや案件の獲得、プロジェクト内でメンバーとしてチームを支えることに注力し、彼らが成長する機会を数多く提供していきたいと思っています。 さらには、新たなテーマの調査研究やコンサルティングメニューの開発、プロボノ活動等に積極的に挑戦していくこと、また執筆、講演等の対外的活動等を通じて、当社の存在感をより高めていけるようになっていたいと考えています。

エピソード

じつは私は、子どもを産むために一度当社を辞めています。その際、当時の会長に「完全に会社を離れるのではなく、少しでも会社とのつながりを持っていたほうがいい」と声をかけていただき、嘱託の研究員という肩書きをいただきました。また、出産後、子どもを連れて会社へ顔を出したときは、当時の部長から「子どもがある程度大きくなったら、会社に戻ってきませんか」と。さらに内閣府男女共同参画局男女共同参画分析官として出向したときも、社命ではないにもかかわらず認めてくれました。このように、当社には個々の社員の生き方を尊重してくれる風土があり、社員のライフスタイルに応じた柔軟な働き方を認めてくれたからこそ、今の私があるのだと痛感しています。

応募者の皆さんへメッセージ

子どもの成長は目に見えますが、大人の成長は外からは見えにくいものです。でも、大人も仕事の経験を通じて大きく成長します。ただし、仕事を通じた成長は、学校での学びよりもさらに、人による差が大きいと思います。どのような仕事にチャレンジし、そこから何を学び取るのか。皆さんの努力プラス職場の支援が重要です。就職活動中に自己分析しすぎて、得意・不得意等、自分の限界を想定してしまうことなく、入社後の大きな成長を期待して自分を委ねられる会社を選んでください。

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